村上工務店の社長、村上義浩は宮大工の技術を持ち、神社・寺院の建築物の新築や補修を手掛けています。西予市野村町にある三島神社本殿も、村上が棟梁となってつくり上げた建築物です。三嶋神社の本殿は一棟のなかに神殿が三つ並んでいる三間社で、屋根が美しい曲線を描いて長く伸びる流造(ながれづくり)です。釘などを用いず、手で刻んだ木材同士を接合する伝統的な技法で建てられています。
神社や寺院の建物は一般の住宅とは異なる様式で建てられています。複雑な建築的造形が見られる構造や華麗な彫刻装飾など、芸術的な美しさにあふれた「別格」の建築です。別格である建物の建築には、高度な伝統的技法が求められます。この伝統的な技法を持つ大工もまた「別格」で、一般の大工とは一線を画し「宮大工」と呼ばれています。